はじめに
2020/08/26-28 に沖縄県那覇市とオンラインで開催された JANOG46 Meeting in Okinawa に参加、登壇してきました。
新型コロナウィルスの影響により、延期と開催形態(現地&オンライン)の変更を余儀なくされましたが、無事に開催されて本当に良かったです。
本記事では、登壇したプログラム「自動化の下ごしらえ」や、参加したプログラムについてレポートします。
登壇プログラム
自動化の下ごしらえ
テーマ決め・応募など
Ansible Automates 2020 (動画)では、ネットワーク運用作業を自動化するために「洗い出し→特定→最適化→実装」という流れを全体的にご紹介しました。
この中で「最適化」の部分、つまり既存の手順書をどのようにしていけば自動化しやすくなるのか、という点をもっと深堀りしたかったため、ここにフォーカスを当てました。 最適化を「下ごしらえ」と表現しました。
業務として、実際にお客様のネットワーク運用自動化のご支援をしていくなかで溜まってきた知見を、コミュニティへ還元したく発表しようと思いました。
まだ旧日程、旧開催形態(7/8-10 現地のみ)のうちに、プログラムを提出し、無事に採択していただきました。 途中で、日程や開催形態が変更され、スタッフ側からも確認のためにやりとりがありました。本当に大変だったと思います。
発表当日
いろいろなイベントがオンライン開催となり、登壇もしたことがあったので慣れては来ましたが、Zoom ウェビナー(ミーティングではなく)でパネリストとなったのは初めてでした。
★ 9/2 現在、アーカイブ動画公開中(1ヶ月間程度)
資料は、上記 JANOG のページの他、SlideShare にもアップしました。
www.slideshare.net
下ごしらえのポイントとしては、以下の 7点にまとめてお話しました。
- 引く 不要な⼿順を削除する
- ⾜す 隠れ⼿順をあぶりだす
- 決める 判断基準を明確に決める
- 分ける 機械と⼈の役割を分ける
- 整える フォーマットを整える
- ⼊れ替える 順序を最適化する
- (戻す) あえてデグレ
twitter でいたいた反応
実は、あたり前の話ばかりかなと少し心配していた面もありました。 しかし、twitter では以下のような反応をいただき、嬉しかったです。
手順書に書いてない作業って、ログオン・ログオフとか、ter len 0とか、よくありますよね。 #janog
— yo (@yo12525) 2020年8月28日
運用手順ではないけど、製品のテスト手順や項目書についても書き方を機械に分かりやすくしておくと テスト自動化 に移行する時にしやすいんだろうなぁ。
— naka_shin1 (@naka_shin1) 2020年8月28日
メンバ間で文言について意識合わせする事も大事ですよね。#janog
めちゃくちゃ参考になる。順序の最適化とか頭になかったわ。
— H.Kz@full Stuck(not Stack)ITドカチン (@h_kuzuu) 2020年8月28日
自動化の下ごしらえ #janog https://t.co/T1Rnyehn9K
ディスカッション
また、JANGO Meeting は「Meeting」なので、一方的な発表の他にディスカッションの時間を意識的に設けています。
当日は以下のようなお話がありました。
- 「7. 戻す」の事例があった。
- 部分部分の自動化は進めてきたが全部いまのシステムを捨てて作り直するという決断をした。ブラックボックス化したシステムは手を入れないという判断も必要。
- 1〜7のうち、1〜2はツールに合わせて決めることが多いのではないか
- ルールが決まらないとどう足せばいいか分からない
- 確かにツールによって
ter len 0
やcont t
を暗黙的に実行したりしなかったりする
- トラフィックが切り替わるような作業時には、pingが落ちないかのチェックしたいが同自動化したら
- 設定変更のツールが状態監視に向いてるとも限らないので分けてもよいのでは
どちらかというと、私が情報を提供していただいたかたちとなりました。
貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
■ 参加プログラム
ヤフーの IP Closネットワークの歴史と運用
Clos ネットワークそのものと、自動化の内容に興味があったので参加しました。
★ 9/2 現在、アーカイブ動画公開中(1ヶ月間程度)
課題の捉え方と、それに対するツール選定の話がとても興味深かったです。
Apstra AOS に異常検知機能があるのはしらなかったです。多機能ですね。現在は、Ansible も併用されているとのこと。
それぞれのメリデメをおさえつつ、用途に応じて使い分けをしてる点が参考になりました。
COVID-19 関連
今回のプログラムは COVID-19 関連がいくつもあったののが特徴的でした。
www.janog.gr.jp www.janog.gr.jp www.janog.gr.jp
あらためて、人の生活様式がトラフィックに与える大きさというものを感じました。
Wi-Fi 6? 6E?
無線規格のおはなし。規格が色々ありますが、バージョンニングされてからは関係がわかりやすくなりましたね。
CSMA/CDを参考にビデオ会話の会話制御について考える
www.janog.gr.jp プロトコルから人の振る舞いのヒントを得るっておもしろいですよね。
以下の記事を思い出しました。
GitOpsを適用したクラウドネイティブなネットワークアーキクチャ
課題にあげられていた「GitOpsなコンフィグの投⼊」は確かに一工夫がいるのだなと思いました。 宣言的なものに適用するのは難しいですね。
■ おわりに
この半年間は変化が激しく、スタッフのみなさんは大変だったと思います。 特に、現地とオンラインのハイブリッドで、かつディスカッションもあり、という形態だったため、当日のオペレーションも相当複雑でしょう。 JANOG らしさを残しつつ、粘り強く、開催形態を模索し続けていただいたみなさんには感謝しかありません。本当にありがとうございました。
次回 JANGO47 は 2021/01/27-29 に福岡県福岡市にて開催よていです(ホスト:ヤフー株式会社)。
この頃には世の中が落ち着いて、心置きなく現地で参加できることを願っています。
参加された方でアンケートがまだの方はぜひこちらから! JANOG46 アンケート | JANOG46
参考
togetter
私と JANOG
- JANOG41 Meeting in Hiroshima 参加メモ - てくなべ (tekunabe)
- JANOG41で「勉強会のフィードバックから得られた自動化への壁」という発表をしてきました - てくなべ (tekunabe)
- JANOG41.5 で「もっと気軽に始めるAnsible」という発表をしてきました - てくなべ (tekunabe)
- 【JANOG42】私にとっての「つなぐ、つたえる、つみあげる」 - てくなべ (tekunabe)
- 【JANOG42】Ansible ネットワーク自動化チュートリアルを発表してきました - てくなべ (tekunabe)
- JANOG43 レポートその1【参加編】 - てくなべ (tekunabe)
- JANOG43 レポートその2【登壇編】自動化の行き着く先は? - てくなべ (tekunabe)
- JANOG43 レポートその3【ハッカソン編】スタッフ兼参加者として - てくなべ (tekunabe)
- [Batfish] JANOG43.5 で「ネットワークコンフィグ分析ツール Batfish との付き合い方」という発表をしてきました - てくなべ (tekunabe)
- JANOG44 レポートその1【参加編】 - てくなべ (tekunabe)
- JANOG44 レポートその2【登壇編】ここからはじめよう、運用自動化 - てくなべ (tekunabe)
- JANOG45 Meeting in Sapporo に参加して視野を広げる必要性を感じた - てくなべ (tekunabe)