はじめに
AAP(Ansible Automation Platform)2.4 の Full support 期限が 2024/10/01 と迫っていることから、次期の AAP 2.5 の足音が聞こえてきました。
(過去、サポート期限の表記が延長されたことはありました)
Red Hat Ansible Automation Platform Life Cycle - Red Hat Customer Portal
そんな中、Red Hat のナレッジベースに AAP 2.5 での変更点に関する記事が公開されました(要ログイン)。
[2024/09/30 追記] ログイン不要で見れる AAP 2.5 のリリースノートが公開されました。
正確、詳細について Red Hat 社の記事を参照いただきたいですが、本ブログの記事としては、以前から公開されていた情報をさかのぼり「あれのことかなー?」「そういうことかなー?」と予測してみます。
本ブログ記事は一個人の予想でしかありませんのでご留意ください。
ポイントは、各種画面を束ねる統合 UI と、コンテナでのデプロイ方式です。個人的には、AAP 2系になってか一番大きな変化になるかなと思っています。
■ Platform Gateway (統合 UI)
これまで、Automation Controller、Automation Hub、EDA Controller は別々の画面として提供されていました。
これらを束ねるような画面の提供されるという情報が以前からありました。
Automation Automates 2023 Japanでの「Unified UX Experience」
2023年7月に開催された Automation Automates 2023 Japan では、AAP のロードマップの話がありました。
以下の動画の10:10 頃からのスライドの右の「Long term」のところに「Unified UX Experience」があります。これが各種画面を統合する画面のことだと思います。
動画:
口頭では以下の説明がありました。このころには Platform Gateway という呼称はあったようです。
以下の説明から、画面が統合されるだけでなく、認証機能にも変更がありそうです。
コンポーネントツリー全体にわたる一元認証も可能にします
AnsibleFest 2024 での見慣れない画面
感覚的には「ふいに出てきた」という感じだったのですが、とあるセッションの中で見慣れない画面が紹介されました。
以下の動画の 17:01 頃からです。これが Platform Gateway (の開発段階)なのでしょうか。
左のメニューに以下のような文字が見られます。
- Projects
- Automation Execution
- Automation Decisions
- Automation Infrastructure
- Automation Content
- Automation Analytics
たとえば、Automation Execution であれば、Automation Controller 相当ってことなのではないかと思います。
ドキュメント
ansible/aap-docs
という「Red Hat Ansible Automation Platform Documentation」という説明のリポジトリがあります。
中をあさっていると、Platform gateway の設定画面の説明らしきページが見つかりました。
画像 aap-docs/downstream/images/platform_gateway_full.png at 2.5 · ansible/aap-docs · GitHub
また、インストール方式での説明に掲載されているインベントリファイルには、以下のように automationgateway
というグループや、AAP Gateway
という言葉が登場します。
# This section is for your AAP Gateway host(s) # ----------------------------------------------------- [automationgateway] fqdn_of_your_rhel_host ansible_connection=local ...(略)... # AAP Gateway - mandatory # ------------------------------ gateway_admin_password=<set your own> gateway_pg_host=fqdn_of_your_rhel_host gateway_pg_password=<set your own> # AAP Gateway - optional # ----------------------------- # To use custom TLS certificate/key you need to set these variables #gateway_tls_cert=<full path to your TLS certificate file> #gateway_tls_key=<full path to your TLS key file> ...(略)...
インベントリに定義する変数の一覧にも更新が入っています。
例えば admin_password
という変数は、
The password for an administration user to access the UI when the installation is complete.
から
The admin password used to connect to the {ControllerName} instance.
に変更されています。UI という言葉がなくなっているあたりが少々気になります。
インストール方法のページの、インストール後の確認手順では、まず platform gateway
を開くとあります。
■ コンテナでのデプロイ方式の追加
2023年から「Containerized AAP」という言葉で、コンテナでのデプロイ方式の追加がありました。AAP 2.4 では Technical Preview 扱いですが、おそらくこれが GA になるということなのかなと予想しています。
(OpenShift によるデプロイは別です)
もちろん、GA までに大小さまざまな変更はあるかと思います。
Automation Automates 2023 Japanでの「Containerized AAP」
Automation Automates 2023 Japan での AAP のロードマップの話の中で、「Containerized AAP」という言葉がありました。
おそらくこれが、コンテナ方式でのデプロイのことだと思います。
動画(再掲):
AAP 2.4 時点では Tech Preview
Tech Preview 扱いですが、AAP 2.4 のドキュメントでは Containerized AAP の情報も載っていました。
現在も更新が進められているようです。
公式ブログなどでの「Containerized AAP」
2023年9月の公式ブログでも Containerized AAP についての説明がありました。
公式動画:
個人ですが他にも動画があります。 www.youtube.com
同じく個人ですが、日本語としてはとても貴重な情報です。 zaki-hmkc.hatenablog.com
[2024/09/29 追記]
私も試してみました。podman のsystemd 連携が興味深かったです。
おわりに
繰り返しになりますが、正確、詳細について Red Hat 社の記事をご参照ください。
本ブログ記事では、これまで公開されていた情報を中心にまとめました。