てくなべ

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Interop Tokyo 2026 参加レポート(主に ShowNet)

はじめに

2026/06/10-12(現地展示期間として)に開催されたInterop Tokyo 2026に参加してきました。

ShowNet の展示やセッションを見てきましたので、いくつかまとめます。

※ 口頭で聞いたあいまいな記憶を思い出しながら書いた記述が含まれます。正確な情報は一次ソースをあたっていただくようお願いします。何かご指摘ありましたら @akira6592 にご連絡いただけるとありがたいです。

1. ShowNet 関連

ShowNet は、多くのベンダーの最新鋭の機器を実際に動作させて相互接続性(Interoperability)を検証する大規模なネットワークです。来場者や展示ブースからのインターネット接続性を提供する役割も持っています。

新しくて分からないものが満載ですが、毎年これを見るのがたのしみにしています。

各ラックで気になった機器についてまとめます。一部、ShowNet ステージなど聞いた話も含みます。

トポロジー図や各ラックに何の機器が設置されているかが分かる「ShowNetの歩き方」などの資料は以下のページにまとめられています。

www.interop.jp

1.1. ShowNet ラック

まず、各ラックで気になった機器についてです。

対外接続回線 / 対外接続ルータ (#N-1 / #N-2 ラック)

ShowNet と外を接続する部分です。ここがあるからこそ ShowNet がインターネットに接続されている、と言える箇所です。

#N-1 ラック

「今年は 4.1T」と書かれていました。どんどん増えていきますね。

今年もBGP ピアリングの認証方式として、MD5 ではなく TCP-AO (Authentication Option)が採用されているようです。

#N-2 ラック

APN は「6wave」。

あと、うっかりすると見過ごしてしまうのですが、いつも足元の対外接続の線もチェックしました。

対外接続の線(足元)

去年は「NTTコミュニケーションズ」だった線は、今年は「NTTドコモビジネス」です。HPE Juniper Networking の件も含め、名称の変化をいくつか感じたのが印象的でした。

コアネットワーク(#N-3 ラック)

対外接続部分から少し内側のコアネットワーク部分です。

#N-3 ラック

SRv6 では、オーバーヘッドが少ないマイクロSIDを使っているそうです。

大容量光トラスポート(#N-4 ラック)

光マトリクススイッチという機器がありました。

Polatis社 光マトリクススイッチ

試験などで光ファイバーのいろいろ接続を切り替えるときに、抜き差ししなくても、内部の組み合わせによって切り替えができるようです。

光マトリクススイッチの説明

高密度パッチパネル / ロボット配線システム(#N-5 ラック)

多くの光ファイバーが集まるラックです。「黄色いラック」と呼ばれることもあるそうです。確かに黄色いですね。

#N-5 ラック

ロボパッチに注目しました。みっちみちにファイバーが集まっています。部分的にしか写せていませんが、赤や緑のランプがある機器です。こちらも光回線をリモートからでも切り替えできる機器です。物理レベルのリモート制御は、あるとないのとでは雲泥の差なのだと思います。

センコーアドアドバンス社 XSOS 576D

参考:

ascii.jp

ユーザ収容ネットワーク(#N-6 ラック)

展示ブースからのトラフィックが集まるネットワークです。

今回で初めて知ったのですが、「ArcOS」というホワイトボックススイッチOSがあって、筐体とセットで設置されていました。

1Finity ArcOS+S9610-36D

ホワイトボックススイッチ説明

また、説明を聞きそびれてしまったのですが、「ShowNet としては初めて上から下(ユーザー)まで IPv6」という説明を伺いました。EVPN VXLAN のアンダーレイの話だったような・・?

・・・と思いながら後日、Internet Week Showcase in 静岡で、「変わり続けるネットワークエンジニアリングを考える ― Interop ShowNetの事例から」を拝聴したら気になっていたことが聞けました。アンダーレイが IPv6 のみになってうれしい点としては、自動生成の IPv6 リンクローカルアドレスだけになり、ある意味でプラグアンドプレイになった点が挙げられました。アドレスの「設計」というプロセスも「設定」という管理対象も不要になることで、シンプルに維持できてよさそうです。

ネットワーク品質検証 / ユーザー体感品質測定(#N-9 ラック)

光配線切替ロボットの小型版である ROME mini。毎年眺めているのですが、今年も実際に切り替えてる瞬間には出会えませんでした。いつか見てみたい・・・。

ROME mini

ラック脇のホワイトボードにはプロンプトインジェクションなどの攻撃を防ぐ製品群のセキュリティ試験について書かれていました。

セキュリティ試験

また、AI 推論パフォーマンス試験のKPI についても書かれていました。初耳でした。

  • TTFT (Time To First Token)
  • TTLT (Time To Last Token)

AI 推論パフォーマンス試験のKPI

背が高いラック(#D-1 ~ D-3)

馴染みがあるのは 42U 高さのラックですが、#D-1 から #D-3 のラックはさらに背が高かったです。52U あるそうです。

背が高いラックたち(#D-4 から右は通常)

水冷(#D-4 ~ D-6)

現地で注目されていた印象が強かったものの一つが「水冷」です。

#D-6ラック全体

#D-6 ラックでは水冷スイッチ QFX5250-64OE-L が動いていました。

水冷スイッチ QFX5250-64OE-L 前面

背面はこんな感じです。少なくともぱっと見でファンは見当たりません。背面の両端に何かが通っていますが、別サイトの写真と合わせて見ると、それがスイッチ内部まで通っているように見えました。

水冷スイッチ QFX5250-64OE-L 背面

見た目のインパクトが大きかったのは #D-4 ラックの裏です。温かい水が赤、冷たい水が青、と演出的に分かりやすくしてました。

#D-4 ラック裏

表はこんな感じです。

#D-4 ラック表

なお、液体を使った冷却を指す言葉がいくつかあるようですが、今回は以下の理由で「水冷」と表現しているそうです。

水冷の表記について(後述のセルフツアー時に閲覧した資料から)

ちなみに、トポロジー図(PDF)で、しずくのアイコンが付いてる機器が水冷とのことです。

しずくアイコン付きの機器例(トポロジー図抜粋)

参考

www.geekpage.jp

ascii.jp

1.2. AI 活用

今年も ShowNet の構築、運用にあたっては AI が活用されたそうです。

大き目トピックで特定のラック固有の話とは限らないので、独立した節でまとめます。

MCP Festa

今回は、各種ログやフロー情報を MCP 経由で自然言語で問い合わせする仕組みを作られていたそうです。たまったログ類自体はデータでしかないので、そこから意味を見出すには相当のスキルが必要そうです。このように自然言語で聞けるのはそのハードルを下げられそうで、有用そうだなと思いました。

MCP FESTA(#S-2 ラック)

少し離れたところで、スライドで紹介されていました。

MCP Festa @FlowInspector

MCP Festa NURO Biz syslog解析AI基盤

また、展示会場内セミナー「ShowNetの安定稼働を支える運用基盤〜モニタリングとAI活用の最前線〜」は、後日アーカイブが公開されました。MCP を含むAI活用の話は 23:00 頃からです。

forest.f2ff.jp

AI Agent 活用

当日は情報を追えなかったのですが、つい先ほどご紹介した「ShowNetの安定稼働を支える運用基盤〜モニタリングとAI活用の最前線〜」のアーカイブの 29:32 ころから「AI Agent の活用デモ」というパートがあったので拝聴しました。

2025年はチャットボットベースのAI活用だったのが、2026年はより自律的な AI エージェントを導入されたそうです。

構成要素は主に以下の通りです。これらによってトラブルシューティングや状況確認ができるそうです。

  • OpenClaw
  • 人間とのUI は Webex
  • AI エージェントへの攻撃に対してはガードレール製品で対策
  • ローカルLLM利用

かなり意外だったのはローカルLLMの置き場所です。去年は Azure 上だったのが、今年は IOWN APN 経由で札幌、三鷹、横浜、福岡に設置された計算資源を利用していたそうです(幕張側にも GPU サーバーあり)。

ガードレールも重要ですね。手堅い手順が求めらえるネットワーク構築、運用の場面において、意図せず機器再起動をされてしまっては困りますし。

このセミナー時点での気づきとしては、AIにどういう情報を与えるか、アクセスさせるか、が重要とのことでした。このように、実際やってみてどうだったかという情報を共有していただけるのは、非常にありがたいです。

1.3. ShowNet セルフツアー

去年に引き続き、タブレット端末を借りてラックに近づくと説明の動画や資料が見れる「ShowNet セルフツアー」があったので参加しました。

セルフツアーなので、自分の時間の都合(受付の開始と終了時刻はある)で見れるのでお手軽です。当日現地での申し込みが必要ですが無料です。

貸し出されるタブレット。ここに行くと見れますよというガイドもある

位置情報を取得している仕組みが面白くて、GPS ではなく Wi-Fi を利用します。

位置情報取得の仕組み

こんな感じで、説明の資料や(写真に撮ってないですが)動画が見れます。それぞれ自分のペースで見れるのがありがたいです。

見れる資料の例

使い勝手的なところは、事後アンケートでフィードバックをいたしました。

2. 展示会場セミナー

参加した展示場内セミナーについてです。

2.1. 「ネットワークと AI の融合」

ネットワークと AI の融合 - 自律型エージェントが拓く運用の未来 をというセミナーを拝聴しました。

ネットワーク運用における AI の活用のこれまでとこれからの流れの解説や、MCP Server を使ったトラシューのデモなどを見れました。

発表されたばかりの Cisco Cloud Control の説明もありました。 局所最適したとしても分断されたプラットフォームは扱いにくいという課題に対して、Cisco Cloud Control はそれらを取りまとめる統合プラットフォームという位置づけのようです。

3. ブース

近年は ShowNet ラック方面を中心に見ていますが、少しだけブースを回れました。

3.1. セイコーソリューションズさん

Best of Show Award で審査員特別賞を受賞された「Netwiser」シリーズが、展示されてました。証明書の自動更新機能が追加されたそうです。

Netwiser SX-41
 

3.2. PagerDuty さん

PagerDuty のサービスの概要や、各種オプションの機能についてご説明いただきました。印象的だったのは、各メンバーの負荷状況が確認できる点です。システムだけでなく、人も見てくれるサービスであるんだなと思いました。

PagerDuty さんブース

おわりに

私が気になったShowNet のラック内の機器の役割や新しい取り組みを中心にまとめました。

2025年の時も、特に AI 活用の結果をあとで共有してくださることがあった(例: JANOG 56 のプログラム)ので、今年の分の情報があればぜひキャッチアップしたいと思いました。

ShowNet の構築、運用に関わった NOC、STM のみなさま、ブースでご対応いただいたみなさま、ありがとうございました!

なお、ShowNet のより詳しい説明がされる shownet.conf_ は、今年は 2026/08/27 - 28 に開催されるそうです。

f2ff.jp

参考

[2026/07/10 追記] ShowNet Stage 2026 動画まとめ www.youtube.com

x.com

note.com

ascii.jp

cloud.watch.impress.co.jp

gorosuke5656.hatenablog.com