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Juniper 機器が検証できるリモートラボサービス「Juniper vLabs」の利用方法

■ はじめに: Juniper vLabs とは

Juniper vLabs とは、Juniper の仮想ネットワーク機器を検証用途でリモートから利用できる、無料のラボサービス(現在BETA版)です。非常にありがたいサービスです。

[2019/07/08 追記] Beta という表記がなくなったようです。

用意されたトポロジの中から、利用したトポロジを予約すると自分用に割り当てらます。割り当てられると、各機器にコンソールに入って操作できます。各機器にはグローバル IP アドレスが割り振られるため、手元の PC の SSH クライアントからも接続できます。

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Juniper vLabsトポロジ表示画面

類似のサービスとしては、Cisco DevNet の Sandbox があります(参考: 日本語ブログ)。

この記事では、Juniper vLabs で利用できるトポロジや、各機器へのログイン(ブラウザ・SSH クライアント)までの簡単な利用手順をご紹介します。

(補足) 公式ドキュメント

英語ですが、公式ドキュメントに手順などがしっかり掲載されています。

動画

※ 本記事執筆時点では BETA サービスのため、大きな仕様変更などがされる場合があります。




■ 利用できるトポロジ

Juniper vLabs では、現在、以下のトポロジを利用できます。1台だけのトポロジもあれば、複数台組み上がったトポロジもあります。

Standalone

  • Standalone vMX
  • Standalone vSRX
  • Standalone vQFX Light
  • Standalone vRR

Routing

  • OSPF - Single-area
  • OSPF - Multi-area
  • IS-IS - Single-area
  • IS-IS - Multi-level/area
  • BGP - Multi-AS
  • BGP - Multi-AS with Route Reflection

Security

Automation

  • JET for Junos - Automation and Programmability Network Management, Telemetry, and Analytics

Network Management, Telemetry, and Analytics

  • Contrail HealthBot




■ 利用手順

Juniper vLabs サービスへのログイン

https://jlabs.juniper.net/vlabs/ から Juniper User ID でログインします。 アカウントがない場合は、このページを参照してください。


トポロジの選択・予約

ログインするとトポロジ一覧が表示されます。利用したトポロジの画像、または Launch をクリックします。 ここでは例として、OSPF - Single-area をクリックします。

トポロジ図のページが表示されます。この状態ではまだ予約されていません。

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Juniper vLabsトポロジ表示画面

予約するために、ページ右上の Reverve ボタンをクリックします。

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RESERVE ボタンで予約開始
予約処理が開始されると Your Juniper vLab "OSPF - Single area" is being created のようなタイトルのメールが届きます。

スケジュールなどの項目を必要に応じて変更し、Reserve ボタンをクリックします。

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予約の詳細指定画面

予約処理中は、トポロジ画面右上が以下のような表示になります。予約処理完了までの残り時間目安が分かります。

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予約処理実行中
予約処理が完了すると以下のような表示になります。

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予約処理完了(利用可能状態)

同時に Your Juniper vLab "OSPF - Single area" is now available のようなタイトルの予約完了メールが届きます。本文には各機器へログインするユーザー名とパスワードが記載されています。

機器へのログイン

機器へログインする方法は、ブラウザ、SSHクライアントの2通りあります。

ブラウザでログイン

ログインしたい機器のアイコンにカーソルを近づけたときに表示される をクリックして SSH を選択します。

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ブラウザでログイン

別タブでブラウザ用のコンソール画面が jcluser ユーザーでログインされた状態で開きます。

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ブラウザでログインした状態

SSH クライアントでログイン

準備: 許可アクセス元 IP アドレスの設定

デフォルトでは外部からのアクセスは許可されていません。 そのため、手元の SSH クライアントでログインするには、まず許可アクセス元 IP アドレスの設定をする必要があります。

トポロジ画面上部の COMMANDS ボタンをクリックします。

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COMMANDS ボタン

トポロジ画面右の Add Allowed Network Prefixes> ボタンをクリックします。

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許可アクセス元IPアドレスの設定 その1

つづいて、画面右側に表示される xxx で 許可したい IP アドレス(プレフィックス指定も可)を入力して、Runボタンをクリックします。

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許可アクセス元IPアドレスの設定 その2

なお、外部から見たときの、手元の PC のグローバル IP アドレスは ipconfig.io などで調べられます。

許可アクセス元 IP アドレスの設定が Running 状態を経て完了すると、以下のようにCompleted になります。

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完了

これで、手元の SSH クライアントでログインする準備ができました。

アクセス先 IP アドレス・ポートの確認とログイン

アクセス先 IP アドレス・ポート

アクセスしたい機器のアイコン付近の緑色の マークにカーソルを乗せると、SSH でアクセスするためのグローバル IP アドレスとポートが表示されます。(NETCONFなどのほかの方法の情報も表示されます。)

ユーザー名とパスワード

デフォルトで設定されているユーザー名とパスワードは、トポロジ予約処理完了時に送られる Your Juniper vLab "OSPF - Single area" is now available のようなタイトルののメール内に記載されています。

これらの情報を元にして、SSH クライアントでログインします。

終了

予約の時間がすぎると自動で環境が終了(シャットダウン)しますが、明示的に終了させることもできます。

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終了



■ まとめ

Juniper vLabs で利用できるトポロジや、各機器へのログイン(ブラウザ・SSH クライアント)までの簡単な利用手順をご紹介しました。

ネットワーク作業の自動化の検証をしたいときに、ネックになりやすいのがネットワーク機器の準備です。今回ご紹介した、Juniper vLabs や、Cisco DevNet の Sandboxなどのサービスでは、気軽に仮想ネットワーク機器の環境を用意できるので、活用できるのではないでしょうか。