てくなべ

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書籍「ネットワーク図の描き方入門」は描き方も省略の仕方も学べて1年目に読みたかった

この記事は ネットワーク Advent Calendar 2025 の 22日目の記事です。

はじめに

2025年12月22日に「ネットワーク図の描き方入門 分かりやすさ・見やすさのルールを学ぶ」という書籍が発売されました。一部書店では先行発売されていたので先日さっそく購入しました。

bookplus.nikkei.com

著者 @corestate55 さんによる本書の紹介記事もありますので、ぜひご覧ください。

qiita.com

本ブログとしては、本書のいいなと思った点などの感想をまとめます。

全体的な印象としては「インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門 第2版」や「インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク「動作試験」入門」のように、業務に携わらないと学びにくいジャンルを扱った貴重な書籍のように感じました。

全体

本書の全体に関する感想です。

大きくて図もたくさんで見やすい

最初に思ったのは、技術書としてはやや大きめであることです。「マスタリングTCP/IP 入門編」と同じ大きさです。

図を扱っている書籍なので、大きい方が見やすくてありがたいです。見開きでまたがっている大きな図もあるため、一覧性高く見渡せる紙の書籍の方が私にはあっていました(実際紙で購入)。

また、解説用のネットワーク図はもちろん、前提知識や原理原則についてのページについても図解がたくさんありました。

本書自体が、図や分かりやすさの有用性を示しているように感じました。

工夫の整理と新発見

極めて個人の視点になりますが、「そうそう、そうですよね!」という、自分も実施していた工夫が整理されて紹介されていたり、逆に「その手があったか!」という新しい発見もありました。(新発見については後述)

自分が関わる範囲外のネットワーク図は、あまり見れる機会がないため、いろんな工夫が知れてよかったです。

省略の工夫

図にはいろんな情報を詰め込もうとしてしまうかもしれませんが、本書ではメンテナンス性や見やすさを考慮して、「描かないこと」や省略する工夫も紹介されています。

たとえば、P141~142 では VLAN ポート名を示すテキストラベルを省略する理由が説明されています。固定的、自動的に決まるものだからわざわざ表記しない、という理由です。他にも、似たような理由で仮想スイッチの論理ポートの箱は描かない方針になっています(P144)。

キーワードは省略、圧縮。総じて、暗黙的に分かるものや人間が気にしなくていいものは描かないという感じでしょうか。

詳細は本書を見ていただきたいですが、P93からの「設計パターンを理解して省略する」もまさに省略の話です。

書籍のタイトルは「描き方」ですが、ある意味では「描かない工夫」も書かれているイメージです。

原理・原則を知れる

「第6章 構成図をさらにわかりやすくする」では、人間の認知特性とデータ可視化をベースにして、分かりやすさの原理原則が紹介されています。確かにそうだなと納得感がある内容で、応用が利きそうです。

とくに「人間には意識しなくても理解できる要素があること」(P177)は重要に感じました。このような、人間が自然と認知できる現象を活用しつつ、明示する必要があるもの(凡例など)を組み合わせることで、分かりやすい図ができるのだなと思いました。

描き方だけじゃなく、構成図の目的やネットワークの基礎も

単にネットワーク図の描き方だけではない点も特徴だと思いました。

「第1章 ネットワーク構成図って何?」では、ネットワーク構成図がどういうものか、どういう種類があるか、役割が説明されています。

また、「第2章 ネットワークの基礎知識」では、本書を読み進めるのに必要な範囲で、ネットワークの特徴、プロトコルトポロジーなどが説明されています。

そのため、ネットワーク初学者やネットワーク業務の現場が浅い方でも読める書籍になっているかなと思います。

描き方以外の設計論も

メインはネットワーク図の描き方ですが、設計論的な話も登場します。

新発見

本書を読んで、個人的に新たな発見だった点をいくつか抜粋してご紹介します。

線に対するラベルの置き方だけでもいろいろある

P74 にケーブルの線に対する「Gi0/1」のようなラベルの書き方についての記載があります。

私はあまり意識できていませんでしたが、線に合わせてラベルを添えるかどうか、線の上に置くかどうか、色々パターンがあるなと思いました。

直線と折れ線の使い分け

機器と機器を結ぶときに、直線にするか折れ線にするか迷うことはありませんでしょうか。私は言語化できるほど明確な理由で使い分けられていませんでした。

本書では P86 から、直線と折れ線の使い分けが紹介されています。

ルーティングの書き込み

私自身はほとんど盛り込んだことがなかったのですが、本書では論理構成図にスタティックルートのルーティングの情報も書き込まれていました(P115)。

物理・論理合成図

よく物理構成図、論理構成図は書きますが、本書では「物理・論理合成図」と呼ぶ図の書き方も紹介されていました。

私は、全体概要図として物理と論理の両方を書くことはありましたが、本書では物理的な機器の中に物理と論理の情報を詰めた、より細かい図でした。このスタイルの図は書いたことがなかったので新鮮でした。

完成図は P148-149。物理的なインターフェースとVLANなどが合わさった図になっています。

おわりに

「はじめに」でも書きましたが、業務に携わらないとなかなか身につけにくいジャンルを扱った書籍で、業務のおともに、とてもいい書籍だと思いました。

そいえば、RFC 8345 A YANG Data Model for Network Topologies が紹介されていたのは、テンションあがりました。

参考

(再掲) qiita.com

www.youtube.com

[2026/01/10 追記]

xtech.nikkei.com

[2026/02/16 追記]

www.youtube.com