てくなべ (tekunabe)

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[Ansible/AAP] AAP 2.6 のざっくり概要(新機能やアップグレードパスなど)

はじめに

AAP(Ansible Automation Platform) 2.6 のドキュメントが公開されました。

docs.redhat.com

製品ライフサイクルのページで AAP 2.6 の GA (General availability) が 2025/10/01 と記載されていますので、まもなくダウンロードページで 2.6 が選択できるようになるのではないかなと思います。

[2025/10/03 追記] ダウンロードできるようになりました。

本記では、AAP 2.6 の個人的に気になっているポイントをまとめます。インストールはまだ試せないないので、ドキュメントベースです。

詳細、一次情報は公式ドキュメントをご確認ください。

※ 2025/10/01 21:50 現在、日本語に切り替えても中身が 2.6 の情報ではない(おそらく2.5)ようなのでご注意ください

含まれるもの

AAP、と一言で言っても実際は複数のコンポーネントの集まりです。

主なものの各バージョンは「Platform services in 2.6 」の表にまとまっていました。

Automation controller は 4.7 系になったのですね。Ansible Automation Platform UI のバージョンは 2.6.1 とあります。以前はそもそも「Ansible Automation Platform UI 」という括りを見かけなかった気がするので、何をもって UI のバージョンを指せばいいのか迷っていました。

大きな新機能

ドキュメントは以下のページです。

docs.redhat.com

ここでは大きめな新機能のみ取り上げます。利用にはデプロイ方式に制限があったりする点はやや注意です。

Ansible Lightspeed intelligent assistant が GA

AnsibleFest 2025 で発表があった Ansible Lightspeed intelligent assistant (参考)が、GA になったようです。

AAP の画面の右に表示される、AI チャットボットの類です。AnsibleFest 2025 でデモを見たときは、ただ説明するだけでなく、実際の操作まで代行してました。

利用するためのハードルは少々高めかもしれません。

Ansible self-service automation portal が GA

こちらは名前としては初耳でした。

既存の画面を抽象化、整理して提供する感じのセルフポータルでしょうか。

Deployment of self-service automation portal requires Red Hat OpenShift Container Platform using a Helm chart.

とのことです。

インストールドキュメントに要件に詳細が書かれています。

関連ページ:

なお、既存の「Ansible plug-ins for Red Hat Developer Hub」とは別物のようです。

Ansible Automation Dashboard が GA

こちらも AnsibleFest 2025 で発表があったものです。

自動化の効果を測定、可視化するダッシュボードです。AnsibleFest 2025 のデモでは、エクスポートする機能があったのが印象的でした。

コンテナ版のみの提供だそうです。インストール手順が個別のページになっていることから、AAP のインストーラーとは別で実行する形のようです。

既存のAAPの画面に、1つ画面が増えるようなものをイメージしていたので、思ったより大掛かりな新機能なような印象になりました。

ドキュメント上は「Automation Analytics」のセクションに「Using Automation Dashboard」というページがありました。Automation Analytics 自体は以前からありましたね。

(補足)AAP 2.5 での扱い

ダウンロードページで、AAP 2.5 for RHEL 9 を確認すると、 Ansible self-service automation portalRed Hat Ansible Automation Dashboard が並んでいました。 なので、2.6 固有というよりは、AAP のラインナップにこの2つが加わったということなのかなと思います。

Red Hat Ansible Automation Dashboard のほうは「Technical Preview」扱いです。

コンテナ版のシステム要件

コンテナ版の RHEL 9系の要件は、9.2 から 9.4 に引き上げられました。 RHEL 10系は変わらずです。

RHEL 8系はコンテナ版はもともとサポートされていませんでした。

インストール方式

一つ前のバージョン AAP 2.5 では新たにコンテナ版(containerized)が追加され、サーバーに直接インストールする方式である RPM版も維持されました。

AAP 2.6 でもRPM版 がありますが、AAP 2.7 ではいよいよ削除される予定です。

[2025/10/03 追記] ダウンロードページを確認すると、RHEL10 向けには RPM 版はありませんでした(AAP 2.5 と同様)。

アップグレードとマイグレーション

個人的に一番気になっていたことです。AAP 2.5 がリリースされたときに気がかりだったのは、いずれなくなる RPM 版からコンテナ版への移行だったためです。

ドキュメントを眺める感じですと「バージョンは上げるけど RPM 版のまま」のように方式を変えないのがアップグレード、方式を変えるのがマイグレーションということのようです。

アップグレード

いろいろアップグレードパスが示されています。

docs.redhat.com

AAP 2.4 から 2.6 があるというのはポイントではないでしょうか。(AAP 2.5 の導入を見送った 2.4 ユーザー向け?)

マイグレーション

マイグレーションパスも示されています。待ちに待った?RPM 版からコンテナ版へのパスもあります。

docs.redhat.com

Technical Preview

GA ではなく Technical Preview 扱いとして登場したものはが以下のページに載っています。

docs.redhat.com

少し迷ったのですが、リリースノート配下でないところにも Technical Preview 扱いのものが載っています。

docs.redhat.com

Ansible development workspacesは、Ansible の開発環境を提供するもののようです。こちらの図をみると OpenShift 上で実現されるもののように見えます。

非推奨になった機能

docs.redhat.com

  • Automation Gatewayを介さない(Automation Controller などへ直接)サービス固有の API
  • Ansible code bot (2025/12/31 で削除)

など

おわりに

ドキュメントベースで簡単ですが AAP 2.6 の気になっていることをまとめました。

新機能も魅力的に見えますが、アップグレードとマイグレーションのところが個人的にはポイントに感じました。

参考

[2025/10/08 追記]

www.redhat.com

www.youtube.com

他にも AAP 2.6 のプレイリストで動画が公開されています。