はじめに
2018/01/24-26 に JANOG41 Meeting が広島国際会議場で開催されましました。
JANOGとは (https://www.janog.gr.jp/information/ から引用)
JANOGとはJApan Network Operators' Groupを意味し、インターネットに於ける技術的事項、および、それにまつわるオペレーションに関する事項を議論、検討、紹介することにより日本のインターネット技術者、および、利用者に貢献することを目的としたグループです。
JANOGでは年に数回ミーティングという形式のイベントが開催されています。 以前から興味があったのですが、今回ようやく初めて参加(とLT登壇)することができました。
私が参加したプログラムの中で特に気になったものをメモします。
- プログラム一覧
- 2018年2月23日(金) 12:59 まで録画公開されているプログラムもあります。
【Day1】
■ ネットワーク運用自動化BoF
ネットワーク運用の自動化ついてのBoF(birds of a feather = 同好会 という説明が1日目にありました)です。 計5本のLTがありました。
・自動化されたネットワーク運用のテストを実現しよう
- リンク
- 内容メモ
- 感想
- 後述する私の発表の中にある「検証環境ない問題」を解決する方法の一つだと思いました。
・まずはCode化だ!
- リンク
- 内容メモ
- 感想
- teraterm マクロに近い抽象度の方法でした。手動への戻しやすさがあると思いました。
・NetTesterで多拠点テストも自動化!
- リンク
- 内容メモ
- 感想
- 途中「ソフトウェア開発の知見を拝借」という文言が登場しますが、自動化に限らずこのアプローチは大切だと思っています。感覚的な話ですが新しい知見や手法は「ソフトウェア開発」→「サーバー」→「ネットワーク」という順に流れているような気がしているためです。
・始動編?それLC4RIでできるよ!
- リンク
- 内容メモ
- 「明日からはじめるネットワーク運用自動化 始動編)」のハンズオンをWebブラウザだけで行う方法について
- Play With Docker を利用
- 感想
- 何かを試すときに、環境構築が行動の壁になってしまうことがありますが、このような仕組みは便利です。
・勉強会のフィードバックから得られた自動化への壁(私の発表分)
- リンク
- 内容メモ
- (以下の記事をご参照ください) tekunabe.hatenablog.jp
【Day2】
■ 明日からはじめるネットワーク運用自動化
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- 内容メモ
- 感想
- 大勢の方々(300人以上でしょうか)が参加されていたため、関心の高さを改めて感じました。
- 序盤の自動化の失敗パターンの紹介といった理論の話から始まり、具体的なライブラリ名、ツール名、サンプルコードまでカバーした内容で盛りだくさんでした。
- 自動化の全体像をつかんだ上で「ここからちょっとやってみようかな」と思うような内容だったと思います。
- また、このプログラム先だって、1/9に始動編(事前オンラインプログラム)が開催され、資料や動画も公開されています。
■ BDD + Pythonによるネットワーク機器のテスト自動化
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内容メモ
- 感想
- BDD(Behavior Driven Development)の考え方は、ネットワークの動作のテストと親和性が高いように感じました
■ RENAT(Robotframework Extension for Network AutomationTesting)を用いたネットワーク検証の自動化について
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- 内容メモ
- RobotFramework をネットワークの自動テストに利用したツール「RENAT」の適用事例
- 検証手順をシナリオとして記述
- 実施ログ、レポートはHTMLで出力される
- 稼働削減や、他システム連携などの効果が得られた
- 感想
- ネットワーク機器を操作するライブラリはいくつか知っていましたが、RobotFramework のようなフレームワークは初耳でした。
- 作業フローを組み上げるときに参考になりそうなので、どんなものかしらべておこうと思います。
■ NFV+SDN標準化/実装動向と運用の課題
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- 内容メモ
- ESTI NFV Standardとして様々な標準化が進められている
- 運用の課題としては、NFV基板のオーバーヘッドや既存環境との連携がある
- 感想
- サービスを中心としてネットワークを考える場合、ネットワークとサーバーはあまり区別しすぎない方がよいと思いました。
■ 海底ケーブルの日本への陸揚げについて、その意義と現場 - New Cross Pacific Cable Systemの事例から -
(懇親会)
600人以上の申し込みがあったらしく、ものすごい人口密度でした。 初参加で一人で来ましたが、初参加者用のテーブルや「自動化」や「広島好き」などテーマごとのテーブルなどがあって助かりました。
【Day3】
■ Interface Descriptionがプロジェクトの財産になる日
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- 内容メモ
- インターフェースの
description
に、接続情報を記述して、プログラムで読み込み、構成図を生成するアイディア
- インターフェースの
- 感想
descitption
をメタデータの入れ物して使うアイディアは面白いと思いました。- 使用できる文字やパースのしやすさ等の事情で苦労された点が伝わってきました。
■ Literate Computing for Reproducible Infrastructure
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- 内容メモ
- Jupyter Notebook を利用した実行可能な手順書の提案
- 作業証跡が残る
- 正解の実行結果も載せられる
- 感想
- 自動化の便利さと、手動での再現性の高さの両方が考慮された興味深い手法でした。
- Facebook に Literate Computingのコミュニティがあるので参加させていただきました。
■ Excel/CSV変換ツールのおかげでshow ip routeのコピペ地獄から解放された話
リンク
内容メモ
- Python、TextFSM、NTC-Templates を使って、
show ip route
の結果をパースしてCSVにした事例 - ブラウザから試せるように WebFSMというWeb版も公開
- Python、TextFSM、NTC-Templates を使って、
感想
- showコマンド結果をパースするための正規表現をテンプレート化、シェアできるので、TextFSM / NTC-Templates の組み合わせは便利だと思いました。
■ 福岡大学における公開用NTPサービスの現状と課題
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- 内容メモ
- 感想
- 歴史のあるNTPサーバーの停止宣言の場に立ち会えたことが思い出に残りました。
まとめ
これまでのJANOG Meeting に比べ、テーマが多岐に渡っていた印象を受けました。 今回は、自動化(情報収集、設定変更、テストなど)を扱うプログラムが多かったです。 現在の私の興味と一致していたため、まだまだ知らないツールや考え方があることに気付いて大変有意義でした。
また、上記のメモにはありませんが、中国の事情にを扱うプログラムも複数ありました。 電子決済がとても普及していることなどを知り、興味深かったです。
次回の JANOG Meeting は 2018/07/11 - 13 に三重県津市で開催される予定です。次回もぜひ参加したいと思います。 運営者の皆様、発表者の皆様、ありがとうございました。
togetter
実況&まとめ、ありがとうございました。