てくなべ (tekunabe)

ansible / network automation / 学習メモ

JANOG54 Meeting レポートその2: 登壇編「自動化の教育ってどうやってますか?」

はじめに

2024/07/03-05 に奈良県奈良市奈良県コンベンションセンターで JANOG54 Meeting in NARA が開催されました。

本記事では、登壇の機会をいただいたプログラム「自動化の教育ってどうやってますか?」の、準備や当日のことなどをまとめます。

なお、参加したプログラムについては別の記事にしてあります。

tekunabe.hatenablog.jp

応募までの経緯と共同登壇

私が所属している自動化専門の部署では、3年間ほど配属される方に対して技術的、業務的なトレーニングを行っています。

どんなことを教えていて、どんな工夫をしているかなど、いつか JANOG でお話できればなと思っていました。

私は、初代の講師を担当していて、最近講師の引き継ぎをしました。これまでのふりかえりを含めて良いタイミングかなと思って、今回プログラムに応募しました。

これまで JANOG のプログラムに応募するときは、事前資料を出せずにいたのですが、今回ははじめて事前資料を作成して応募時に提出しました。

また、応募した段階では人選までは未定だったのですが、引き継ぎ先の講師の社員との共同登壇にしようと考えてました。プログラムを採択いただいたあとに、講師(複数名)に声をかけて、そのうち一人が登壇してくれることになりました。良い感じに登壇の機会を作れたかなと思いました。

本編

本編は大きく分けて2つのパートで構成しました。

まず、私からトレーニング全体の概要やポリシー、工夫、扱っている技術要素などをお伝えしました。

次の佐々木さんのパートでは、自動化業務の進める上で必要なナレッジを扱うパート(ナレッジ編)についてお伝えしました。このナレッジ編は、トレーニングの重要なポイントの1つです。たとえば、手作業での手順書を自動化するときにどう最適化するか、などを扱っています。 ここの技術要素の解説書籍でもあまり扱ってないような内容かなと思います。

当日使用した資料は以下のページにリンクがあります。

www.janog.gr.jp

直リンクも貼っておきます。

アーカイブ動画はこちら。いつもより期限が長く(半年、2025年1月まで)なっています。ありがたいです。

www.youtube.com

Slack にも書いたのですが、トレーニングのお「ナレッジ編」で受講者に伝えている内容は、もともとチーム内で Wiki に積み上げたナレッジを基にしています。業務経験で得たことをおナレッジにし、重要なことはトレーニングに落とし込むというサイクルです。

Slack

Slack の本プログラム用チャンネルでもご意見、お悩み、ご質問をいただきました。ありがとうございました。

#janog54-ansible-自動化の教育ってどうやってますか

本編の最終にも壇上で拝見していたので、このあとのディスカッションでどんな話題になりそうか予想できることもあったので助かりましまた。

ディスカッション(議論)

議論時間の様子

本ブログラム全体の 45 分のうち、15分をディスカッションの時間に割り当てました。アーカイブ動画では 31:17ころから。

ありがたいことに、時間いっぱいご意見やご質問をいただきました。

せっかくですので、ディスカッションパートでの話のいくつかを抜粋します。

  • 技術を定着させるための、どのくらい時間をかけているか
    • Ansible でいうと10数時間。これは書いてあることをやればいいレベルで一周目という位置づけ。
    • 加えて、定着させるために2周目として総合演習(見本がないハンズオン)を設けている
  • ついていくことが難しい人へのフォローはどうしているか
    • 質疑応答のタイミングを設けている
    • オンラインだと、受講者の様子が見えないので、困ったら声をかけてもらえるように、雰囲気づくりが重要
  • ハンズオンと業務レベルのギャップと乗り越え方
    • すべてのギャップを埋めることはできない
    • 調べ方、ドキュメントの読み方、聞き方などを含めてトレーニング、という位置づけにしている
  • 顧客ヒアリングなどはシミュレーションしているか
    • 現状は要件を講師側から提示している。それに対してどう実現するかを考えてもらっている
  • 教育を横展開する時の考え方
    • 基本的な部分を抑える方針にしているため、各現場固有の事情は取り込んでいない
    • いい意味で汎用的、悪い意味ではフィットしきらない部分もある
    • フィットしない部分は、ナレッジ編で調べ方などを学習してもらう形でカバーしている

替え玉エリア(延長ディスカッション)

JANOG 53 に続いて今回も「替え玉エリア」という延長ディスカッションが設けられていました。Ask the Speaker的な場です。

プログラムの時間内のディスカッションでは、時間やプレッシャーの面でマイク前に立ちにくいこともありますが、替え玉エリアではそういった制約が少なく、双方リラックスしてお話できたような気がします。

多くの人に並んでいただいて、制限時間いっぱい、たくさんお話させていただきました。

show int さんの動画で、ちょうど私達が替え玉エリアで会話している様子を撮っていただいていました(以下動画 7:21 頃)。ありがとうございます!雰囲気が分かりやすいと思います。

youtu.be

おわりに

今回の場で、自分たちのチームで行っているトレーニングの仕組みに少し自身が持てました。一方で、継続的に改善していく必要があることも改めて認識できました。

ご参加いただいたみなさま、ディスカッションパートで、替え玉エリアに起こしいただいたみなさま、ご担当いただいたスタッフの方々、ありがとうございました!

普段の取り組みを、組織を超えて話し合える場をいただけてとてもありがたかったです。

参考

togetter

2024-07-04 13:37:51 のポストからまとめていただきてます。ありがとうございます!

togetter.com

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