はじめに
2022/01/26-28 に鹿児島県鹿児島市で開催(オンラインとハイブリッド)された JANOG49 Meeting にオンラインで参加しました。
見たプログラムについて、感想やメモ書きレベルですが残しておきます。
資料は公開されているので、気になったプログラムがあればリンク先から詳細をご覧いただければと思います。
アーカイブは2022/03/07まで公開予定とのことです(JANOG ML [janog:15225] (JANOG49)アンケートとアーカイブ配信について
より)。
■ Day1
ネットワーク運用自動化(NetOps)の実運用: 苦労/解決/妥協した話
P14 で、設計で意識しないといけなかったこととして、以下2点があげられていました。
- 事業の特性
- 要員の特性
「他社の正解事例が自社の正解とは限らない」というのは悩ましい話だなと思いました。自分たちのことを知る、というのは思いのほか難しそうです。
P24では、作業全体の自動化は難しいと語られていました。完璧を求めないための視点は重要そうです。
P26、今後の展望の一つは検証の自動化や効率化とのことでした。検証、判定自体は、本来は人間よりも機械が得意とする類のものもだとは思うのですが、組み合わせが多くなると、作り込みが大変になりそうですね・・。
本プログラム全体としては、自分たちを知ることと、落とし所が重要なのだと感じました。
モバイルバックホール作業自動化への挑戦
P8、作業自動化 拡大の "本当の" 壁として、以下3点が挙げられていました。
- 作業品質の低下
- ノウハウの属人化
- 保守的な環境
これらを乗り越えるために、実行環境の整備や、マニュアルの作成、ハンズオンの開催などをされたそうです。取っ付きやすいマニュアルの作成というのは個人的に盲点でした。
P14、自動化拡大のために重要なのは「ストレスフリーな環境作り」。使うのは人間なので、こういうところに働きかけるのは重要なのだなと思いました。
■ Day2
Clos Network Topology を運用するために、どのような取り組みをしていますか
プログラムの内容そのものもとても素晴らしかったですし、質疑応答や Slack でのやりとりもとても良かったです。
JANOG Meeting では、発表者と参加者という区切りはあるものの、二者間で質疑応答したり、議論したりします。このプログラムではさらに、Slack 内での参加者同士の意見交換も活発で、いいなと思いました。Clos アーキテクチャに限定しない、教育やオンボーディングに関する話が多かった印象でした。
今更ながらRFC5549でIXピアしてみよう
参加者から RFC 5549 のとある箇所の解釈についての意見が出てきて、数人で意見交換されていました。こういう場があるのもなんだかいいですね。
■ Day3
L1トラブルシューティング!
ケーブルの天敵の一つはセミだそうです。セミが卵を生んでしまうそうです。知らなかった・・。
NETCON Wrap-up
自動採点の仕組みがすごいなと思いました。
クラウドオペレーティングモデルはネットワークの世界でどこまでできるか?
私はよく Ansible を利用するのですが、ときどき Terraform のような宣言的な指定をしたくなります。 ネットワーク関連の Provider の今後の動向に注目していきたいと思います。
KDDI固定電話ネットワーク、NFV化の5年間の道のり
P35の「オープンソース利用の見極め」。PoCのPoCというのは、なんとなくやっていたことではありますが、言語化するとたしかにそうかも知れないという納得感がありました。いきなり実運用を見据えた検討は難しいでしょうし、まずは物を知るというステップを明示的に設けるのは良いなと思いました。
一番印象的だったのが P37 の所感です。
運用の課題は、運用しないとわからないから 完璧を目指すより「改善しやすい仕組み」「管理しやすいルール」 「運用者が改善にガッツリ取り組める雰囲気」が必要だと感じた
単なる「やってみないとわからない」だけでなく、改善、管理、仕組みを見据えた観点がとても参考になりました。
閉会宣言/次回予告
本編ではないですが、式が始まる前のスタッフさん同士の会話が、ラジオのようで心地よかったです。
■ おわりに
今回もハイブリッド開催となりました。かなり難易度高いのではないでしょうか・・。感謝です。
いつも登壇者の皆様、スタッフ皆様、ホストや協賛各社様、ありがとうございます!
特に、今回は新しい取り組みとして、アーカイブ公開がかなり早くてありがたかったです。見逃した人に紹介するときも紹介しやすかったです。
次回の JANOG50 Meeting は 2022/07/13 - 15 に北海道で開催予定です。
おまけ
私と JANOG
- JANOG48 Meeting 参加レポート - てくなべ (tekunabe)
- JANOG47 Meeting in Fukuoka 参加レポート - てくなべ (tekunabe)
- JANOG46 Meeting in Okinawa 登壇・参加レポート - てくなべ (tekunabe)
- JANOG45 Meeting in Sapporo に参加して視野を広げる必要性を感じた - てくなべ (tekunabe)
- JANOG44 レポートその1【参加編】 - てくなべ (tekunabe)
- JANOG44 レポートその2【登壇編】ここからはじめよう、運用自動化 - てくなべ (tekunabe)
- [Batfish] JANOG43.5 で「ネットワークコンフィグ分析ツール Batfish との付き合い方」という発表をしてきました - てくなべ (tekunabe)
- JANOG43 レポートその1【参加編】 - てくなべ (tekunabe)
- JANOG43 レポートその2【登壇編】自動化の行き着く先は? - てくなべ (tekunabe)
- JANOG43 レポートその3【ハッカソン編】スタッフ兼参加者として - てくなべ (tekunabe)
- 【JANOG42】Ansible ネットワーク自動化チュートリアルを発表してきました - てくなべ (tekunabe)
- 【JANOG42】私にとっての「つなぐ、つたえる、つみあげる」 - てくなべ (tekunabe)
- JANOG41.5 で「もっと気軽に始めるAnsible」という発表をしてきました - てくなべ (tekunabe)
- JANOG41 Meeting in Hiroshima 参加メモ - てくなべ (tekunabe)
- JANOG41で「勉強会のフィードバックから得られた自動化への壁」という発表をしてきました - てくなべ (tekunabe)